2017年度活動記録

1   9月20日  きのこ研修
2 9月16~17日  オホーツク支部研修会
3  7月23日  石狩浜研修会 
4  6月29日  特定外来生物オオハンゴンソウ駆除
5  6月 4日  キウシト湿原研修会

き の こ 研 修

きのこ研修会

道民の森(月形地区) 

開催日時

平成29年9月20日(水)10:00~12:30

天候

晴れ 19℃

参加者数

講師 松原健一氏(会員)  ボラレン参加者10人

観察記録

キノコ

 

ボリボリ、エノキタケ、ハタケシメジ、ホテイシメジ、ヌメリツバタケ、オシロイシメジ、クロサカズキシメジ、ツバナラタケ、カクミノシメジ、サクラタケ、シイタケ、カヤタケの仲間、イボテングタケ、ドクベニタケ、シロハツ、クサハツ、アカモミタケ、ニオイコベニタケ、キチチタケ、シロヌメリイグチ、ヤマイグチ、ニガイグチモドキ、イヌセンボンタケ、ヒトヨタケ、タケリタケ、ノボリリュウ、シロソウメンタケ、チャボウキタケ、アシグロタケ、ムラサキフウセンタケ

草本

(開花)エゾノコンギク、エゾゴマナ、ミヤマウズラ、ハナタデ、ゲンノショウコ

(果実)ツルリンドウ、ルイヨウショウマ、トリアシショウマ、イチヤクソウ、オオヤマサギソウ、コイチヤクソウ、オオアマドコロ、ホウチャクソウ、ムカゴイラクサ、ヤトキホコリ

木本

(果実)オオカメノキ、コクワ、クルミ、ナナカマド、アカエゾマツ、ツルシキミ、ミズナラ

樹木の散策路にはイチイ、シナノキ、オヒョウ、トドマツ、エゾアカマツの見事な大木がありました。

シダ

ワラビ、ヤマイヌワラビ、ヤマソテツ、ゼンマイ、リョウメンシダ、シシガシラ

鳥

ヒガラ、ヤマゲラ

 * 鳴き声も含みます。

生き物

クスサン(オス、メス )、ベニスズメ幼虫

感想など

前夜の大雨と雷の大荒れで心配した天気は晴れ、10人のボラレン参加者がありました。

陶芸館から4台の車に分乗して出発。きのこの森と樹木の散策路で2時間位ほど、きのこの採集をしながら植物や昆虫なども楽しく観察することができました。

昼食には講師の松原さんが用意して下さったきのこ汁を、一同美味しくいただきました。

その後、採集したきのこの同定、見分け方や食か毒かなどについても、会員同士でやりとりが賑やかにありました。これまでの夏のきのこは成長が早いが、秋のきのこはゆっくり楽しめるということもお聞きしました。





























     
研修会でのキノコ探しの風景  研修会でのキノコ同定状況  昼食は講師の用意されたキノコ汁 



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北海道ボランティア・レンジャー協議会 オホーツク支部研修会

ホーツク研修会の報告

9月16日、17日の両日にわたってオホーツク支部秋期研修会が開催されました。オホーツク支部の会員をはじめとして札幌方面からも参加者があり総勢11名、当会会員の小栗氏所有の小栗山荘を拠点に開催されました。事前準備、当日の案内等オホーツク支部の皆様には深く感謝いたします。

 ◆研修第1日目 9月16日

 奥白滝インターチェンジ集合。高速道路(旭川付近からは無料区間あり)を利用すれば意外と早く着きます。全員集合したところで小栗山荘へ向かい、荷物を片付けると早速山荘周辺に広がる自家農園の中で小栗氏の白菜栽培のミニレクチャーがありました。うまく育った集団と病気に負けた集団の違いについて現物を見ながらの解説でした。病気予防のソバガラ・石灰の使い方、植え付け時期・日当たりの条件の違いでこんなに差が出るのかという思いでした。工夫次第で無農薬で十分育つというお話です。詳細については小栗氏本人か小栗氏の薫陶を受けて白菜栽培に成功した春日会長にお聞き下さい。

 さて本日メインの上支湧別 村林氏の工房さんへ向かいます。廃校を利用した工房で主にカヌー制作をしていて、骨組みも木、キャンバス張り、柿渋処理して蜜蝋仕上げなど徹底的に天然素材にこだわった仕事ぶりで、若かりし日にアメリカで修業してこられたそうです。こういう材料で作れば例え破損してもその部分を修理するだけでいつまでも使えるそうです。とてもエコにできています。ご自身では知床半島や利尻礼文までカヌーで行っているそうです。もう一つの仕事としては犬ぞり体験ツアーをされているとのことで、ハスキー犬、オオカミ犬をはじめとして40頭飼っているというので見せていただきましたが壮観でした。見た目は怖いですが初めての人でもかみついたりしないそうで撫でてみると実におとなしい犬たちでした。これだけの数になるとエサのほうも大変かと心配になりますが近くの鹿肉の缶詰工場から余り肉を頂いていて、それがここに来た理由だそうです。これまた工場にとっても犬の飼い主にとってもエコな話です。生肉を食べさせるので水もほとんど飲まず、3日に1回2㎏の肉で十分といいます。ちなみにこの地区はクマだらけですが、大量の犬に守られてクマは近づかないそうです。

     

工房 Outrider  

村林秀尚氏  

シーカヤック

 
     
カナディアンカヌー 

犬ぞり  

犬たち 

 帰りがけこれまた廃校の工房に寄り、天然酵母のパンを調達して帰りました。ここのパンはネットで超人気のパンだそうで後でおいしくいただきました。

 夜は会員持参の地焼酎、地ワインを頂きながら焼き肉をつつき、各人の近況報告となりました。やはりオホーツクは地元の活性化自体に苦労しており、ましてや自然活動にかかわる人は少ないようです。早めに就寝。

 
夕食風景 

 

◆研修第2日目 9月17日

 朝、早速遠軽町丸瀬布「山彦の滝」へ向かいます。この辺りではSL列車と並んで観光スポットになっているようです。ほどなく本日講師をしていただく林廣志氏が到着しました。先生は北方山草会に所属され広く自然啓蒙活動をされています。お話の際「遠軽町の植物ハンドブック」、この地区のレッドデータブックリストなどの資料を頂きました。

 講師のお話:“当初は遠軽町の植物を調査しまとめようとしていましたが、町村合併が進み大変広い範囲の調査となりこのガイドブックができあがりました。写真ではなく手書きの絵ですが私はこのほうが手っ取り早いのでそうしました。この辺りには希少な種も種々ありますが、去年の台風の洪水により滝周辺のモイワナズナが見当たりません。ひさしぶりにここに来ましたので一緒に確認したいと思います。それではまいりましょう。”

   

講師  林 廣志 氏 

山彦の滝入り口 

観察風景  

マルバチャルメルソウ  

     
アカミノルイヨウショウマ  シロミノルイヨウショウマ 

イワガネソウ  

チドリケマン 

 以下観察順に紹介します。
コモチミミコウモリ
(この辺りはただのミミコウモリはないそうです)、ヒダカエンレイソウ、ズダヤクシュ、ハエドクソウ、マルバチャルメルソウ(ズダヤクシュの根生葉に似ます)、ヨウラクツツジ、カラクサシダ、ミネカエデ、コタニワタリ、エゾノクモキリソウ、クジャクシダ、ミヤマアキノキリンソウ、チョウセンゴミシ、ウラジロエゾイチゴ、ミヤマトウバナ、ヤマブキショウマ、オオバセンキュウ、タニソバ、カラフトダイコンソウ、エゾタツナミソウ(花)、ヒトツバハンゴンソウ、ミヤマタニタデ(花)、オオバタネツケバナ(グンバイナズナにとってかわったのでしょうか)、ツルネコノメソウ、アカミノルイヨウショウマ、シロミノルイヨウショウマ、エゾノクロクモソウ、 エゾフユノハナワラビ、コバナアザミ、チドリケマン(花)、ヤブマメ、ゲンノショウコなど。結局モイワナズナは見つかりませんでした。また黒い実のルイヨウショウマはなくアカミとシロミ(珍しい)だそうです。

 

ちょっと立ち話

 観察会は終了したのですが、そのあと普段の調査の様子を伺うことができました。この地区の情報はほぼないので林道という林道、沢という沢を一人で歩いているそうです。けものみちも利用するそうでシカの道が頭に障害物がなく具合いいそうです。クマには2度しかあってないとのこと。またこの地区には風穴も多く足元に出てきたナキウサギとご対面ということもあったそうです。


報告 研修部  藤田 潔(写真一部提供 春日会長)



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2017年 石狩浜研修会

 

              7月23日に開催された石狩浜研修会の報告をします。参加者15名で行われました。

                タイムスケジュール

                 10:15       集合

                 10:30~12:00  志賀健司氏による講演「ウミベオロジー」

                 12:00~13:00  石狩灯台付近ビジターセンターで食事、休憩

                 13:00~14:30  安田秀司氏(当会会員)の案内で石狩浜観察

 

              集合時間前に、手持ちぶさたの会員は資料館前の道端の植物を相手にすでに“ミニ観察会”が開かれてしまいま
             した。外来植物が多く、ウスベニツメクサ、コニシキソウ、コメツブウマゴヤシ、コシカギク、ヒメチチコグサ
             メヒシバ、エゾタチカタバミ、メマツヨイグサなどでした。

 

             講演:『ウミベオロジー(石狩海辺学)』

                            講師  石狩砂丘の風資料館 学芸員(主査)   志賀健司氏
                                                       (要旨)                                
        海辺は陸地と海との境界で特別な環境。石狩浜は石狩湾の真ん中で石狩川がたどり着くところ、
       いろんなものがあって、いろんなことが起こる。
 

     1.    漂着物
      海からの手紙。資料館には多数の展示物があり、ハワイにたどり着いた日本
      製アナゴの罠、ロシアのペットボトル、韓国のライター、アメリカ西海岸に
      ついた日本製ガラス浮き、注射器、薬品 等々。トドやクジラの死骸、果ては
      座礁船迄。運が良ければ石炭中から琥珀も。

         生物としてはアオイガイ、ココヤシ、エチゼンクラゲ、ギンカクラゲ、ルリガイ、カツオノカンムリ等。
        アオイガイは研究対象としておりカイ“ダコ”が中に入っている。というよりはカイダコの一部が貝殻状であり
         、それをアオイガイと呼んでいる。
         アオイガイは南の海から対馬海流に乗って西日本へ流れ着くのだが、温暖化のためか2005年ごろから石
         狩でも上がるようになった。
 

       (展示コーナーへ移動) ①ダウリアチョウザメ:江戸時代から石狩川で多数見られたが明治大正期には激
       減した。石狩では神とも崇められ、石狩弁天社に祭られている。②クジラの骨:地層より発見され、石狩
       は広い海だったことがわかる。③アオイガイ:大小さまざまの標本がある。詳細不明だが1年の命といわれる。

       2.   キタホウネンエビ
      石狩砂丘の花畔砂堤の融雪プールで発生。ミジンコの仲間で世界でも石狩と下北半島のみに生息し1か月ほどの
      命しかない。

      3.   蜃気楼
       高島沖から石狩(逆も)を見ると現れることがある。海水温と上空の温度差により生じる。下位蜃気楼と上位蜃
       気楼がある。

     最後に会長謝辞:“ウミベオロジー”が用語として社会で定着されるよう先生のご活躍を期待しています。

  

     観察会

     当会会員の安田秀司氏の案内で石狩浜の観察会が開かれました。

     遊歩道入り口には石狩灯台と記念碑。灯台はお色直しの真っ最中で、屋根の塗装をはがしてみると銅板葺きであ
     ることがわかり、この姿をみられるのは大変貴重 とのこと。
また記念碑のあたりだけでも10種余りの海浜植物
     が見られ、レクチャーを受けて準備完了。以下の通り報告いたします。

観察会

(コース)

石狩浜研修会 観察会

(遊歩道入り口→石狩川河口 往復)

開催日時

平成29年7月23日(金)13:00~14:30

天候

曇り 30℃

参加者数

15名 (+案内人 安田 秀司 氏)

 

観察記録

草本

〔開花〕エゾカワラナデシコ、ノコギリソウ、ハマヒルガオ、ハマボウフウ、ヤマアワ、ハマナス、ハマニガナ、 ナミキソウ、テマリツメクサ、エゾノカワラマツバ、ウンラン、ナガボノ(シロ)ワレモコウ、
イタチハギ、カセンソウ、ノハナショウブ、オニユリ、コゴメバオトギリ

〔実〕 イソスミレ、ハマハタザオ、コウボウムギ、クゲヌマラン

[その他]コウボウシバ、ハマニンニク(テンキグサ)、オニハマダイコン

木本

アキグミ、オニグルミ、ポプラ類、

鳥

ホオアカ、ヒバリ、ウミウ、ノビタキ

昆虫

など

ツノアカヤマアリ、ウリハムシモドキ、ジャノメチョウ、ベニシジミ、ツバメシジミ等

感想など

 一時は採取等で激減したハマボウフウは保護により復活してきたとのこと、ハマナスも増加傾向。遊歩道沿いのオニグルミは20年前からあるとのことですが1m未満であり、他の植物も山野のものと比べると矮小化しているように感じます。いつもと違う海浜植物を見ることができ、楽しめました。

追記:気になることがあり同地を再訪した際、シダ類のハマハナヤスリが見られました。7/29。  
                                        <記録> 藤田 潔

 

                 

 



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特定外来生物オオハンゴンソウ駆除
 

 1.日時 6月29日(木) 午前10:00~12:00

2.場所 野幌森林公園

3.参加団体 
北海道森林管理局 4名、北海道立博物館 1名、自然ふれあい交流館 2名、一般市民 5名、
北海道ボランティア・レンジャー協議会11名       総勢23名

4.防除作業開始前にふれあい交流館前庭で開会式を実施
 開会式では、最初に、主催者を代表して北海道ボランティア・レンジャー協議会春日会長の挨拶、北海道森林管理局・石狩地区森林ふれあい推進センター藤生所長、北海道立博物館総務部総務課杉村主査から挨拶を頂いた。

  ボラレン事務局室野よりオオハンゴンソウの見分け方、防除の仕方、スズメバチ対策などに関して説明された。その後、防 除の場所に 移動し、抜き取り、根茎の切除、運搬に分かれて作業にとりかかる。防除作業の際、オオハンゴンソウ防除実施 中という標識を付けて  、公園利用者に理解を得られる様にした。昨年に引き続きスズメバチ対策として、作業は石狩地区 森林ふれあい推進センターの好意で抜 き取り班は防虫網付安全ヒルメット着用した。

 本年度の作業量としては1時間30分位で約8千本ほど除去した。

今回も北海道森林管理局・石狩地域ふれあい推進センターには切断した根茎等を運搬していただき、切除した根の部分は江別 市廃棄物 処理課に焼却処分をしてもらうことになっています。なお、茎の部分は特定箇所に集め、腐敗するようにしていま す。

 事故もなく作業を終了し、自然ふれあい交流館前庭で閉会の会を行い無事終了した。


     
 開会式の実演  抜き取り株の運搬  抜き取り作業中の様子

 

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キウシト湿原研修会

研修場所

  登別市若山町 キウシト湿原ビジターセンター

開催日時

平成29年6月4日(金)10:00~12:00

天候

曇り 16℃

参加者数

ボランティア・レンジャー会員:13名

観察記録

草本

〔開花〕 ヤナギトラノオ、カキツバタ、アギスミレ、ホソバノシバナ、エゾゼンテイカ、ヒツジグサ、
     オオヤマフスマ、ヒレハリソウ、イワミツバ、コメツブウマゴヤシ、ムラサキツメクサ、
    タチイヌノフグリ、ツルコケモモ

〔蕾〕   オオウバユリ、オニシモツケ、ガマ、サワギキョウ、サワアザミ、クモキリソウ

[果実] ミズバショウ、マイズルソウ、オオバタチツボスミレ

[その他〕ヒメシロネ、ミツガシワ、シロバナカモメズル、フトヒルムシロ、タヌキモ、イトモ、ミクリ、     オオノアザミ、オトギリソウ、トモエソウ、ミズオトギリ、ヤマニガナ、クサレダマ、ヘラオモダカ、  エゾリンドウ

 [イネ科] イ、コウガイゼキショウ

木本

〔開花〕 ホオノキ、カンボク、ツリバナ

〔蕾〕  ミヤマイボタ、ヤマブドウ、クマイチゴ

[果実] ヤチダモ、ズミ、ハンノキ

[その他〕ウコギ

シダ

 ミヤマワラビ、ヤマイヌワラビ、クサソテツ、オオメシダ、ヤマドリゼンマイ、コウヤワラビ、ゼンマイ、
 サトメシダ、ヒメシダ

コケ  ワラミズゴケ、オオミズゴケ、モウセンゴケ

鳥

 ウグイス、カッコウ、コムクドリ、オオヨシキリ

* 鳴き声も含みます。

生き物など

 モノアラガイ、オカモノアラガイ、エゾ糸トンボ、カクモンヒトリの幼虫 

感想など

  キウシト湿原の歴史、地形、貴重種について、現在再生途中であることを、ビジターセンター理事長の堀本氏から説明をしていただきました。その後ビジターセンターのスタッフの方々の案内で体験エリア、保全エリアの順に周りました。イネ科、カヤツリグサ科の宝庫でした。
 保全エリアには貴重種のワラミズゴケの群生地、またレットデータ種のオオミズゴケも生育し、大切に守っていました。
ビジターセンターの皆様が湿原を守り育て、次世代に繋いでいきたいという思いが伝わり、私たち一同ぜひ大事にしてほしいということをお願いしてきました。

 報告者 研修部 菅 美紀子

 

オオミズゴケ アギスミレ キウシト湿原



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